月餅tea timeのblog

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【映画/中国】『the Great Wall / 長城』と長城旅行記

 

 

 先号に引き続き、蜂退治からの!

『the Great Wall / 長城』のお話に移ります。

 

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【目次】

 

『the Great Wall / 長城』について


(映画館での上映は終了していますが、今後DVDなどで視聴される方、以下ネタバレ内容が入っています。筆者が勝手に考察したいことだけピックアップしました。特にあらすじは書きません)

 

 

中国/アメリカ製作  103分

中国公開/2016.12.15。米国公開/2017.02.17

日本公開/2017.04.14

マット・デイモン主演、景甜、アンディ・ラウ


チャン・イーモウ(張藝謀)監督の、色鮮やかでアクション性豊かで楽しい映画でした。
鑑賞前までは、戦闘と歴史的要素が色濃い作品なんかな〜と想像しながら、あの長城をテーマにどんな映画に作り上げられているのだろうとワクワク。
結果は、全く予想だにしていなかった

「そういうヤツ!?」 ∑(゚Д゚)

な展開でありました。
あとから思えば、長城をテーマにした映画として最も面白いカタチだったかもしれないと思いながら、そのエンターテイメント性の高さに感心致しました。
答えを先に言ってしまうとこの映画はモンスターパニックもので、「長城」が造られた目的は「モンスター」と戦うため、モンスターから身を守るためであった、という伝説ストーリー仕立てになっている。
この映画で「モンスター」として登場するのは、中国の伝説の怪物「饕餮(とうてつ)」だ。伝説の怪物・饕餮の持つテーマは「食べる・貪欲」。ありとあらゆるものを貪り食い、挙句の果てには食べ過ぎで破裂して死に至る、という。何かを象徴したもの・教訓的なものと捉えて良いだろうか。

 

饕餮(とうてつ:tāo tìe)について

  • 山海経」にある中国神話の怪物。「四凶饕餮トウテツ窮奇キュウキ・梼杌トウコツ・混沌コントン)」の一つ。
  • 身体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つ。
  • 「饕(とう)」は財産を貪る、「餮(てつ)は食物を貪るの意味である。
  • 貪欲な人の象徴として用いられることもある。
  • この作品ではなんとも美しさを欠いたデザインで登場(筆者個人の感想です、笑)

 

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(ほらね💧…こいつはツッコマれてもしゃーない)

 

この饕餮が、 60年に一回襲ってくるという設定で、要塞でもある長城では、その為に様々な武器や軍が育てられている。(饕餮が城壁を超えて都まで拡がると人類は食い尽くされ滅亡するという設定)

見どころツッコミどころも満載?

マット・デイモン扮する主人公ウィリアムらは西洋からブラックパウダー(=火薬)を求めて中国まで命辛々やってくるが、禁軍(長城で饕餮退治の任を受けた軍)の捕らわれの身になる。捕らわれの身ではありながら、禁軍を援護し功績を挙げる中で徐々に禁軍からの信頼を得ていく。

主義や信念を持たず金と欲望のままに生きてきたウィリアム。一方、国或いは軍の旗のもと忠・信・義を重んじ生きるリン隊長(のちに将軍。景甜扮する)。「信任xìn rén」(=信頼の意味)はキーワードとなりウィリアムは徐々にそれを理解し同調していく。

900年前の攻略巻物孔明なんかも登場させながら最後は何十万・何百万といる饕餮を退治する、めでたしめでたしエンディング

 

見どころあり、ツッコミ処も満載なこの作品、けちょんけちょんな評価が目立ちますが「良いじゃん、楽しいじゃん!」という評価の方も結構いらっしゃいますね。

 

私が見ていて楽しいと感じたのは

  • リン将軍の凛々しくも可憐なところとか、
  • カラフルでカッコイイ軍の鎧とか、
  • アクロバティックなアクションとか。

 

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(リン将軍。お借りした画像です)

赤い鎧の弓兵・黒い鎧の歩兵・女子のみで構成された青い鎧の鶴軍などが登場するのですが、特に青の女子軍はヌンチャクで太鼓を打ち鳴らし、ウエストに金属の輪っかと綱で繋がれ手には長い槍を持ち、「蝶の如く舞い、蜂の如く刺す」ばかりに長城からバンジージャンプさながら饕餮に挑む様子はなんとも果敢ではあるが、着地するやいなや饕餮に無惨に食われてしまうという、その非効率たるや、

さすがにそれは無いんちゃうーー!?

という感じでしたが。

ツッコミ処は結構たくさんあります。

60年前は120年前はどうやって饕餮を倒してたんですか?その時は都までの拡散を食い止めたんですよね?という疑問とか。

…西暦にして960年〜1127年頃の中国・宋朝北部で綺麗な発音の英語を喋るリン隊長とか(まぁ後で辻褄合わせの設定は出てくるけども)。

「スペイン」という言葉が出てきますが実際この時代にスペインという国・地域は存在しないことや。…

良いんです、私はそんな事をいちいちツッコミたくて映画を観たりしません。エンターテイメントの為なら時代背景や民俗文化も多少可笑しくなることもあるもんです(笑)

 

60年に一度の意味:考察

 「六十干支」と関連があるのか?

六十干支とは、中国をはじめ、主に漢字文化のあるアジア圏を中心(西はロシアや東欧)に拡がったもので、暦・時間・方位・角度などを表す時に用いられる。「十干」と「十二支」の組合せから成り立つ。干支の「干」は木の幹、「支」は木の枝の意味合いを持つ。

 

十干とは:

(こう・きのえ):木の兄の意味:jǐa

(おつ・きのと):木の弟の意味:yǐ

(へい・ひのえ):火の兄の意味:bǐng

(てい・ひのと):火の弟の意味:dīng

(ぼ・つちのえ):土の兄の意味:wù

(き・つちのと):土の弟の意味:jǐ

(こう・かのえ):金の兄の意味:gēng

(しん・かのと):金の弟の意味:xīn

(じん・みずのえ):水の兄の意味:rén

(き・みずのと):水の弟の意味:guǐ

 

十二支とは:

(し・ね):水に属する:zǐ

(ちゅう・うし):土に属する:chǒu

(いん・とら):木に属する:yín

(ぼう・う):木に属する:mǎo

(しん・たつ):土に属する:chén

(し・み):火に属する:sì

(ご・うま):火に属する:wǔ

(び・ひつじ):土に属する:wèi

(しん・さる):金に属する:shēn

(ゆう・とり):金に属する:yǒu

(じゅつ・いぬ):土に属する:xū

(がい・い):水に属する:hài

 

例えば、今年2017年は丁酉(ひのととり)年です。来年2018年は戊戌(つちのえいぬ)年、再来年2019年は己亥(つちのとい)年という具合に一つずつ順番に組み合わせていくと、10と12の最小公倍数が60ですので、丁酉年は又60年後の2077年に帰ってきます。60歳で還暦をお祝いするのもここから来ています。酉年は酉年でも、一回り(12年)〜四回り(48年)違いは厳密には性質が異なる酉年ということですね。

 

しかし、この作品の中で饕餮の来襲がこの60年を取っている意味は正直、筆者には分かりかねます。

 

900年前の攻略巻物について:考察

という具合に考えると、900年という数字も60×15(=900)に当てはまり、15回前の来襲時の攻略書を参考にした、ということですね。

因みに今年2017年の900年前は、丁度宋朝時代(この作品の舞台となる時代)の1117年に当たるが何か意味があるのだろうか。

謎だらけだ。考察にならない、謎を挙げて放置になってしまった。ε=╭( 'ω' )╯

何方か良いお考えがありましたらご教授ください。

( この作品は、オーストリア作家フランツ・カフカの『万里の長城』を参考に作られているそうですが、その原作を読めば分かりますかね💧)

 

孔明燈について

 今では台湾の十分・新北市の平渓天燈節の名物にもなっているようであるが、願い事を書いて空に飛ばす、祈祷儀式の用具になっているこの熱気球/天燈は、三国時代の蜀の名軍師・孔明の発明発案によって救護の要請(通信手段)として作られたのが発祥であるとも言われている。現在では、スカイランタンとかチャイニーズランタンとも称される。

 

この作品の中では、2パターンの天燈が登場する。

  • 一つは、シャオ将軍が饕餮に襲われて亡くなった時、追悼の儀式でこのランタンが上げられ、なんとも幻想的かつ叙情的シーンであった。

(こんな感じ↓ この写真は作品the Great Wallとは無関係で、平渓天燈節の画像からお借りしてきたものです↓▼)

 

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  • もう一つは、最後のクライマックスシーンにおいて、人を3人ほど乗せて飛べる戦闘用熱気球として登場。

 ( ▼こんな感じです。この写真もお借りしています ↓▼これで都まで飛びまして、饕餮らを退治に行くわけです)

 

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ついでに台湾観光のご案内!

台湾・十分の観光の目玉「平渓天燈節」

毎年、台湾旧正月の15日(元宵節)に開催され、数万人の人が集いますが、今年2017年からは、秋の中秋節にも開催されることになりました。

  • 尚、2017年の中秋節は10月4日
  • 来年2018年の元宵節は3月2日です。

大きなイベントとしての天燈節は年に2回となっていますが、現在は観光イベントとして平渓地域全体では年中いつでも天燈上げを体験することができます。

ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のモデルではないかと話題になり今尚日本人観光客で賑わう九份の町と同ツアーに組まれることも多い十分、ノスタルジーを満喫できそうな時間を求めて訪れてみるのも良いかもしれませんね。

台北からも近く、筆者は昔台北からバスに乗ってふらっと九份に立ち寄ったことがあります。今ほど観光客はいなくてゆっくり散策することができました。

 また機会がありましたらご紹介しますね❤︎

 

 蜂退治で思い出したシーンについて

 この作品で饕餮群には

  • 「女王」がおり、1匹の女王以外は全て「働き饕餮」であり、女王は働き饕餮が一旦食べたものをもらい、食べるだけで繁殖することができる。
  • 饕餮の女王は頭の共鳴器官みたいなもので群れ全体に攻撃対象や布陣隊形を伝播・指令し、群れの統率者でもある。
  • 蜂や蟻と似た生態を演出し、女王を倒せば群れ全体が滅亡するという映像的には魅せる設定になっている。

 

因みに実際の蜂の世界では、

  • 女王蜂は、生物学的には「生殖虫」という位置づけであり女王蜂は産卵のみが一生の仕事である。
  • 統率者としての性質は持たない。
  • 働き蜂は女王蜂や幼虫のお世話・巣の掃除・巣作りなど、すべての運営をする。花の蜜や花粉をどんどん収穫してきて自らが食べたり幼虫に与えたりするが、女王蜂には自らが食べた蜜や花粉を分解・発酵させたローヤルゼリーを食事として与えるのだ。女王蜂は一生この働き蜂が分泌した乳白色のローヤルゼリーのみを食べ続ける。ローヤルゼリーアミノ酸・ビタミン・ミネラルなどの栄養を豊富に含んでおり、貴重な美容食としても知られている。
  • 女王蜂が亡くなっても、次の候補は準備されている。(巣の中の王台と呼ばれる特別な位置に産み付けられた次期女王候補にローヤルゼリーが与えられる)

 これらは蜂が選んだ種の存続・繁栄の形であり、合理的であると言える。

 

多少の違いはあれ、饕餮は蜂の生態をモデルに作られたものだと思う。

 

終わりませんので。…

まとめと、私の長城旅行記は次号に続く💦

 

 

 この記事は前号の蜂退治のお話から続いています▼

geppeiteatime.hatenablog.com

 

 

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